「産休と育休って、何が違うの?」
「産休中はお給料がもらえるの?」
「育休中のお金はどこから出るの?」
「パートでも育休は取れる?」
「社会保険料は、産休や育休中も払うの?」
妊娠や出産を考えている働くママにとって、産休や育休は気になる制度ですよね。
でも、実際に調べてみると、
「出産手当金」
「育児休業給付」
「社会保険料免除」
など、似たような言葉がたくさん出てきて、かなり分かりにくいものです。
実は、産休と育休は別の制度です。
そして、産休中にもらえるお金と、育休中にもらえるお金も別物です。
この記事では、働くママが知っておきたい産休・育休について、
・産休と育休の違い
・出産手当金とは?
・育児休業給付とは?
・社会保険料はどうなる?
・パートでも対象になる?
・扶養内で働いている場合は?
などを、できるだけシンプルにまとめます。
まずは「産休」と「育休」の違いを知ろう
最初に、ここだけ覚えておけばOKです。
産休=出産の前後に休む期間
育休=出産後、子どもを育てるために休む期間
そして、代表的なお金も違います。
| 産休 | 育休 | |
|---|---|---|
| 正式名称 | 産前産後休業 | 育児休業 |
| いつ? | 出産前~出産後 | 産後休業終了後~ |
| 代表的な給付 | 出産手当金 | 育児休業給付 |
| 主な制度 | 健康保険 | 雇用保険 |
| 社会保険料 | 条件を満たせば免除 | 条件を満たせば免除 |
ここを混同しないことが大切です。
産休とは?
産休とは、正式には「産前産後休業」といいます。
出産する女性が、出産前後に仕事を休むための制度です。
産前は、原則として出産予定日の6週間前から取得できます。
双子などの多胎妊娠の場合は、出産予定日の14週間前からです。
産後は、原則として出産日の翌日から8週間は就業できません。
つまり、産休はざっくり、
出産前6週間+出産後8週間
と考えると分かりやすいです。
※多胎妊娠の場合や、産後の就業については別のルールがあります。
産休中にもらえる「出産手当金」とは?
産休中に気になるのが「出産手当金」です。
これは、健康保険から支給される給付です。
出産のために会社を休み、その期間に給与の支払いがない場合など、一定の条件を満たすと受け取ることができます。
支給対象となる期間は、
出産予定日以前42日から、出産日の翌日以後56日まで
が基本です。
双子などの多胎妊娠の場合は、産前の期間が98日になります。
出産手当金はいくらくらい?
出産手当金は、ざっくりいうと、
給与の約3分の2程度
が目安です。
正確には、支給開始日前12か月間の標準報酬月額の平均をもとに計算します。
計算式は、
平均標準報酬月額 ÷ 30 × 2/3
です。
例えば、標準報酬月額の平均が30万円だった場合、
30万円 ÷ 30日 × 2/3
となるため、1日あたり約6,667円が目安になります。
ただし、実際の支給額は個人の標準報酬月額などによって変わります。
また、休業中に会社から給与が支払われる場合は、出産手当金が減額されたり、支給されない場合があります。
ここが重要!出産手当金は「誰でももらえる」わけではない
出産手当金について、特に注意したいのがここです。
出産手当金は健康保険の「被保険者本人」が対象となる制度です。
つまり、
「夫の健康保険の扶養に入っているから、出産したら出産手当金がもらえる」
というわけではありません。
夫の健康保険の「被扶養者」と、自分の勤務先の健康保険の「被保険者」では立場が違います。
協会けんぽも、出産手当金について「被保険者のみが対象」と案内しています。
そのため、将来的に妊娠・出産を考えている人は、
「自分は健康保険の被保険者なのか、夫の被扶養者なのか」
も確認しておくと安心です。
産休中の社会保険料はどうなる?
会社の健康保険・厚生年金に加入している人が産前産後休業を取得した場合、一定の条件を満たして手続きをすると、
健康保険料と厚生年金保険料が免除されます。
しかも、免除された期間は、将来の年金額を計算するときに、保険料を納めた期間として扱われます。
つまり、
「産休中は給与が少ないのに、社会保険料まで払うの?」
と心配する人もいると思いますが、一定の条件を満たしていれば、産休中の社会保険料は免除されます。
次に「育休」とは?
産休が終わった後、子どもを育てるために仕事を休むのが「育児休業」です。
産休と違って、育休は女性だけの制度ではありません。
男性も取得できます。
そのため、夫婦どちらも育児休業を取得することができます。
育児休業は、原則として子どもが1歳になるまで取得できます。
保育所に入れないなど、一定の条件を満たした場合には、1歳6か月、さらに2歳まで延長できる場合があります。
育休中にもらえる「育児休業給付」
育休中に受け取れる代表的なお金が、
育児休業給付
です。
これは健康保険ではなく、雇用保険から支給される給付です。
ここは出産手当金との大きな違いです。
出産手当金
健康保険
↓
産休中
育児休業給付
雇用保険
↓
育休中
この2つは別の制度です。
厚生労働省では、育児休業給付のほか、出生後休業支援給付や育児時短就業給付など、育児と仕事の両立を支援する制度も案内しています。
育児休業給付はいくら?
育児休業給付は、育児休業を開始してから最初の一定期間は、原則として休業開始時賃金日額の67%相当、その後は50%相当が基本です。
ただし、実際の支給額には上限・下限があり、育児休業中の就業状況などによっても変わります。
また、2025年4月からは、一定の条件を満たす場合に「出生後休業支援給付金」が上乗せされる仕組みも始まっています。
そのため、
「育休中はずっと給料の67%がもらえる」
という意味ではありません。
詳しい支給条件は厚生労働省の最新情報を確認しましょう。
育休中の社会保険料も免除される
育児休業中も、一定の条件を満たして手続きをすると、
健康保険料と厚生年金保険料が免除されます。
日本年金機構では、産前産後休業や育児休業等の期間について、社会保険料を免除する制度を案内しています。
さらに、免除された期間についても、将来の年金額を計算するうえでは、保険料を納めた期間として扱われます。
そのため、育休中に社会保険料が免除されたからといって、
「その期間は年金が減ってしまうの?」
と心配する必要はありません。
産休と育休をまとめると、こうなる
ここまでを一度整理してみましょう。
| 産休 | 育休 | |
|---|---|---|
| 目的 | 出産前後に休む | 子どもを育てるために休む |
| 対象 | 出産する女性 | 男女とも対象 |
| 代表的な給付 | 出産手当金 | 育児休業給付 |
| 給付の制度 | 健康保険 | 雇用保険 |
| 社会保険料 | 条件を満たせば免除 | 条件を満たせば免除 |
| 期間の目安 | 産前6週間・産後8週間 | 原則子どもが1歳になるまで |
「産休」と「育休」は似ていますが、制度も給付も違います。
パートでも産休・育休は取れる?
ここも働くママにとって気になるところですよね。
「パートだから育休は取れない」
とは限りません。
育児休業は、一定の条件を満たせば、パート・アルバイトなどの有期雇用労働者も対象になります。
ただし、雇用期間や労働契約などによって条件があります。
また、育児休業給付についても雇用保険の加入状況など、別の条件があります。
そのため、
「パートだから無理」ではなく、「自分は条件を満たしているか」を確認する
ことが大切です。
勤務先の担当者やハローワークなどに確認してみましょう。
扶養内で働いているママはどうなる?
ここは少し複雑です。
「扶養内」といっても、
・税金上の扶養
・健康保険上の扶養
は別の制度だからです。
特に出産手当金については、
夫の健康保険の「被扶養者」だから受け取れる、という制度ではありません。
出産手当金は、健康保険の被保険者本人が対象です。
また、育児休業給付は雇用保険の制度なので、雇用保険の加入状況や育児休業の取得状況など、別の条件で判断されます。
「扶養内で働いているから全部対象外」
「パートだから全部対象外」
と決めつけず、それぞれの制度ごとに確認することが大切です。
2026年10月からは「国民年金の育児免除」も始まる
ここは2026年10月からの新しい制度なので、これから子育てをする人は知っておきたいポイントです。
2026年10月から、国民年金の第1号被保険者について、子どもを養育している場合に、一定の条件を満たせば育児期間中の国民年金保険料が免除される制度が始まります。
対象となるのは、自営業者、フリーランス、学生、無職などの国民年金第1号被保険者です。
子どもが1歳になるまでの期間が対象となり、免除された期間は、将来の老齢基礎年金の受給額にも反映されます。
つまり、これまで会社員の産休・育休中の社会保険料免除が知られていましたが、2026年10月からは国民年金第1号被保険者にも育児期間中の保険料免除制度が新しく設けられます。
ただし、会社員など厚生年金に加入している人は、この制度ではなく、産前産後休業・育児休業中の社会保険料免除の仕組みを利用します。
「産休・育休」と「社会保険」はどう関係する?
ここまで読んで、
「結局、社会保険に入っていることって、働くママにとって何が違うの?」
と思った方もいるかもしれません。
大きなポイントのひとつが、
働いているときだけでなく、出産や育児で仕事を休む期間にも制度がある
ということです。
例えば、会社の健康保険・厚生年金に加入している場合、
産休
↓
出産手当金
↓
社会保険料免除
↓
育休
↓
育児休業給付
↓
社会保険料免除
という制度を利用できる可能性があります。
もちろん、それぞれに条件があります。
だからこそ、社会保険を「毎月保険料が引かれるもの」だけで考えるのではなく、
病気やケガ、出産、育児などで働けない期間の保障も含めて考える
ことが大切です。
働くママが妊娠・出産前に確認しておきたいこと
妊娠や出産を考えている場合は、できれば早めに勤務先に確認しておきましょう。
①自分は健康保険の「被保険者」?
夫の健康保険の「被扶養者」なのか、自分の勤務先の健康保険に加入しているのか確認します。
②雇用保険に加入している?
育児休業給付などに関係します。
③産休を取得できる?
雇用形態だけで判断せず、自分の雇用契約や勤務状況を確認しましょう。
④育休を取得できる?
パート・有期雇用の場合も、一定の条件を満たせば対象になります。
⑤出産手当金の対象になる?
健康保険の「被保険者本人」であることなどがポイントになります。
⑥育児休業給付の対象になる?
雇用保険の加入状況などを確認します。
⑦社会保険料の免除手続きは会社がしてくれる?
産休・育休を取得する場合、社会保険料免除には手続きがあります。
勤務先に確認しておくと安心です。
産休・育休で覚えておきたい4つ
最後に、ややこしい制度をギュッとまとめます。
①産休
出産前後に休む制度。
↓
②出産手当金
産休中の生活を支える健康保険の給付。
↓
③育休
出産後、子どもを育てるために休む制度。
↓
④育児休業給付
育休中の生活を支える雇用保険の給付。
さらに、
産休・育休中は、一定の条件を満たせば社会保険料が免除される
という仕組みがあります。
まとめ|産休と育休は「別の制度」と覚えよう
産休と育休は、どちらも仕事を休んで子育てをするための制度ですが、実は役割が違います。
産休=出産前後の休業
出産手当金=健康保険
育休=子どもを育てるための休業
育児休業給付=雇用保険
そして、会社の健康保険・厚生年金に加入している人が産休・育休を取得する場合、一定の条件を満たせば社会保険料が免除されます。
さらに2026年10月からは、国民年金第1号被保険者を対象とした「育児期間中の国民年金保険料免除制度」も始まります。
妊娠・出産・育児と仕事の両立には、いろいろな制度があります。
「パートだから関係ない」
「扶養内だから全部対象外」
と決めつけず、
自分はどの制度の対象になるのか
を一つずつ確認することが大切です。
働き方を考えるときは、毎月の手取りだけでなく、病気や出産、育児などで働けない期間の保障まで含めて考えてみてください。
なお、制度には個別の条件があります。
実際に妊娠・出産や育休取得を予定している場合は、勤務先の担当者、加入している健康保険、ハローワーク、日本年金機構などに最新の条件を確認しましょう。
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